1 大変悩んだ総裁選でした
さて、今回の総裁選挙は大変悩みました。いずれの候補も素晴らしい部分があり、しかし最後の決め手となると、一部私の政見と異なることがあり、ピッタリと合う候補がいなかったからです。
安倍政権から続く、外交・安全保障政策、経済政策に賛成しつつも、党内改革をしっかりと行うべき、人権・福祉政策については安倍政権とはやや距離を置き、多様性重視(菅政権寄り)といった立ち位置の人間からは、極めて難しい総裁選であると思っています。
2 私の政治家としての立ち位置
まず、私の政治家としての立ち位置ですが、主な論点について述べますと、
①国防政策
「主権国家は軍隊を持つ」という当たり前の国にするため、自衛隊の位置付けを明確にすべき、東アジアの安全保障環境の変化・台湾有事に対応できる軍事力の構築を喫緊の課題として行うべき
②経済・財政政策
アベノミクスに賛成、インフレ目標達成まで積極財政を行うべき
③人権政策
自由主義(なるべく権利を制限しない方向)、選択的夫婦別姓に賛成
④福祉政策
こども庁推進
3 高市候補が魅力的だった
尖閣諸島への脅威、これまでにない自衛隊機のスクランブル発進の状況を考えると、日本国の独立を今後も維持していくためには、したたかな中国に対抗し、台湾有事を含めた有事に対応するための防衛力の増強を考えなければならない、危機の中にいると考えています。
そのような意味で、高市候補がこの点を最も明確にかつ具体的に公約しており、有力な候補として検討してきました。また、②経済・財政政策に関しても、未完のアベノミクスを完成させる、これまでできなかった確かなプログラム(インフレ目標までは財政規律の放棄)を持っていることは大変魅力的でした。
他方で、③選択的夫婦別姓への立ち位置や、④私がこれまで運動してきた「こども庁」の創設について慎重姿勢を示していることについては、私がこれまで主張してきたこととの整合性が取れず、残念ながら、地方議員として投票することはできないとの結論に達しました。
これらを除けば、極めて魅力的な候補であり、ぜひ政権の中枢に入り、公約したことを実現していただきたいと、心の底からエールを送りたいと思っています。
私は、内閣総理大臣は自衛隊の最高指揮官であることから、総裁選においては、国防政策についての政見が最も問われるべきであると考えています。また、地方自治にはできない経済・財政政策もまた主要な論点であるべきだだと思っています。
しかし、こども庁は、子どもの虐待や子どもの重大死亡事故の防止など、喫緊の課題を含んでいます。高市候補は省庁再編全体の中で考えるということでこれを否定してはいませんが、次期国会への提出は先送りとするなどと述べておられ、他方で私はこれは一刻を争う事態だと考えており、この点で相違を解消することができませんでした。
4 なぜ岸田候補か
さて、こども庁を創設することを明確に確約しているのは、岸田候補・河野候補・野田候補です。
(1)国防・経済財政政策について私の政見に親和的
この中で、国防政策・経済財政政策について、次に親和的なのが岸田候補でした。特に国防政策については、主要な論点となっている敵基地攻撃論について、河野候補・野田候補は反対の立場ですが、岸田候補は理解を示しています。この点が一つの決め手となりました。
また、岸田候補はこども庁の創設を確約し、選択的夫婦別姓にも理解を示しています(今回の総裁選では引続き議論としているが、「選択的夫婦別氏制度を早期に実現する議連」に参加している)。
(2)党改革を正面から具体的に訴えている
また、党のガバナンス改革を正面から訴えてきたのも岸田候補で、この点も大いに賛同しています。岸田候補は、党内に「自民党版ガバナンスコード作成委員会」を創設することを公約しています。大企業には内部統制等の規制を課してきたのに、巨大政党には果たしてガバナンスはあったのだろうか。そうしたことが私は正面から問われなければならないと思っています。特に広島の河井夫妻の多額買収事件に対しては、党内ガバナンスの問題であったと言わざるを得ません。この点を私は一地方議員として改革してほしいと思っています。
(3)個人的な感情
個人的な感情はあまり挟むべきではありませんが、私の大変尊敬している中高の先輩である谷垣総裁(総理にしたかった・・・!!!)が、岸田候補を熱心に応援していることも最後の決め手となりました。私は今でも悔やんでいることがあります。それは谷垣政権を見てみたかった、ということです。もともと谷垣総裁と岸田候補は、同じ宏池会(保守本流)という政策集団に属していました。
岸田政権では、そんな宏池会が目指してきた、穏やかで多様性を重視した政治が見られるかも知れない。そんな思いに勝手に燃えております。
(4)総括
以上のような思考回路により、岸田候補を選択するに至りました。
岸田候補は話し手より聞き手です。それは、見方によれば、どちらかというとリーダーシップに欠ける印象もあるかも知れません。
しかし、総理は内閣の長であり、内閣というチームで行うものです。人の話を聞き、官僚の能力を最大限発揮させ、内閣=行政府全体のパフォーマンスを最大化させるのは、岸田候補なのではないかと思います。
政治家をしていて思いますのは、話したい人は多いのですが、聞き上手は案外少ないのです。国民と乖離しつつある自民党をもう一度国民の手に戻すのは、あの、谷垣総裁の下で行った、ふるさと対話集会のような、「聞く自民党」なのではないでしょうか。岸田候補にはそれができると確信しています。
5 最後に・・・自民党は幅が広い!
河野候補については、他の3候補にはない大胆な改革をしてくれると思っています。今回私は岸田候補に期待しますが、岸田候補にやりきれない改革があるとすれば、それは河野候補にしかできないのだろうと思います。
また野田候補については、内政政策に関して極めて親和的な考え方を持っています。今回、勇気を持って立候補し、自民党に政策の幅をもたらしてくださったことを、大変ありがたく思い、心から敬意を評したいと思っています。
この4候補が出揃っていただいたお陰様で、自民党が外交・安全保障から内政まで幅広く議論し、国民の声を反映している政党であることが、本当によくわかりました。
党内での立ち位置はそれぞれ色々とありますが、私なりに自分の立ち位置を明確にして、投票することにしました。党員・支持者の皆様におかれましては、ご理解をいただけますと幸いです。
いずれの候補が当選しても悔いはありません。それが党員=国民の声ということを自然体で受け入れたいと思っています。願わくば当選した総裁=総理の下で、他の3候補が主要な役職につき、挙党体制を作ることを。さぁ新しい自民党のスタートです。
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