都議選(墨田区)ー秘話と真実
- 佐藤あつし
- 6月19日
- 読了時間: 10分

皆さんこんにちは!墨田区議会議員の佐藤あつしです。都議会議員選挙が始まりましたので、私の思いを率直にブログに綴っておきます。ちょっと面白い読み物(?)としてまとめてみました。大部になってしまいましたが・・・(^^;)ご投票のご参考になれば幸いです。
自民党墨田区議会議員団は、藤崎候補を支援すると機関決定しています。
これまで3期12年、都議会議員として活躍されてきた川松真一朗都議の不出馬の意向を受け、さて、誰を選ぼうか、そんなところから私たちの議論は始まりました。
「区議の仲間から選出しよう!」と口火を切ったのは私で、皆、このことに賛同してくれました。そして「長年の複数候補をやめ、一本化しよう」このことにも皆さん賛同してくださいました。
1 区議の仲間から選出する意義
そもそも「都議会議員のお客さん」とは誰かーそれは区議であると私は断言します。東京都には現場がほとんどありません。現場を持っているのは墨田区、です。道路や公園、学校、住民サービスに至るまで、ほとんどの窓口は区が持っています。したがって、住民の皆さんにきめ細やかに対応するのは、一義的に区議会議員の仕事です。
他方で、区だけではできない問題があります。大きな財源を伴う事業や、警察・消防・上下水道・都営地下鉄など、東京都が直轄する「大都市事務」です。これらは都議会議員の手を借りて行っていく必要があります。
イメージで言うと、90%くらいのものは自分で処理できますが、10%の不足部分を、都議会議員の力を借りたい、そのような感じです。
従って、都議会議員ー少なくとも自民党の都議会議員ーは区議の仕事について熟知している必要があります。自民党の都議会議員に区議会議員出身者が多いのはこの理由で、私たちも区議会議員の仲間から都議会議員候補を選ぼうとみんなで決めました。
2 候補者1本化の意義
これまで長年、墨田区は「山本」「桜井」と2人の都議がいて、それぞれ系列の区議が連なって活動してきました。それぞれが切磋琢磨し、党勢の拡大に勤しんできたことは、良い面もあったように思います。
しかし、それぞれの中で、政局的な対立を生む場面もあり、党としてのガバナンスという意味では課題もありました。◯◯系というものから脱し、自民党が意思決定の中心になることを目指してきました。昔でいうと、「派閥政治を脱して、党主導にしよう」というようなイメージです。
自民党墨田総支部幹事長として(現在は議長公務に専念するため離任中)、このことに腐心してきたので、「機関決定として一本化する」と決まった際には、大変安堵したものでした。これで新生・自民党を作ることができると確信しました。
3 藤崎区議の登場
さて、「区議の仲間から選出する」「候補者を一本化する」と機関決定してから、名乗りを上げてくれたのが、藤崎区議でした。自民党の逆風下、23区で定数3で自民が議席を維持しているのは墨田区だけという状況下で、手を挙げようとする志が立派ですし、松島みどり公設秘書を経て、区議2期6年と経験も申し分ないものでした。区議会議員団全会一致で推挙することとし、候補者に内定しました。桜井都議を応援してきたメンバーも藤崎区議(山本系)を応援すると決めたことが区政史的な意味で画期的でした。
彼は政治5世にあたります。①玉井省吾氏(民選の教育委員を経て墨田区議会議長・曽祖父)、②山本賢太郎氏(東京都議会議員・祖父)、③山本亨氏(墨田区長・叔父)、④藤崎よしのり氏(墨田区議会議長・父)と墨田区の政治の礎を支えてきた家系の出身で、そういう意味の帝王学を理解しています。私は世襲にはいい世襲と悪い世襲がいると常々思っているのですが、彼は政治の勘所がよく、また政界に多彩な人脈を有しているという点では「いい世襲」だと思っています(私が敬愛する故・中川昭一元財務大臣や小泉進次郎農林水産大臣などもいい世襲)。
こうした能力を生かして活躍してくれれば、きっと墨田区にとって、東京都にとっていい結果を生むと確信しています。
4 藤崎区議のいいところ
藤崎区議とは、彼が秘書時代から一緒に仕事をしてきました。野球で培った人一倍大きな身体はいつも汗をかいていましたが、少年のような明るさが取り柄です。
いつも彼のいいところを聞かれると「論戦力」と答えます。意外と勉強してないように見えて(?)議会となると持ち前の論戦力を発揮します。物事の勘所を捉えて、核心に迫っていく姿は、群を抜いています。これはまさに政治の勘所がわかっている証左です。この論戦力により、区政ではいくつもの課題を解決し、成果を得てきました。
また、私が危機管理の観点から、自衛隊OBを墨田区への採用を求めた(現在は常勤採用を実現)際には、自ら車を運転して、防衛省まで連れて行ってくれて、幹部自衛官との面会の機会を設定してくれました。豊富な人脈に裏打ちされた行動力もまた彼の取り柄です。自衛官採用問題は、彼と一緒に解決してきた実績の一つです。
5 「パワハラ」疑惑について
<墨田区議会による経緯のまとめ>
一部報道で、彼の「パワハラ」疑惑について書かれ、私に「大丈夫か?」とのお問合せもいただいております。ご心配をおかけしていること、大変心苦しく思います。
経緯は上記に仔細に記載された通りなのですが、議会としては2ヶ月にわたる調査と弁護士の見解を得て、「政治倫理条例における政治倫理規準に該当するかどうか判然としない」ということから、「シロ」と結論付けました。
しかし、職員が私のところに来て、注意を促した事実は厳然として存在するわけでありまして、彼の行動が意図したものでなかった(責任は問えない)としても、結果としてこうした現象を引き起こしたことは、反省すべきことであって、私から口頭注意を行いました。彼はこれを真摯に受け止めました。
議長として、申出職員に対して経緯の説明をした折には、いずれも納得してくださり、「議会として適切に対応してくださったことに感謝します」とおっしゃっていただき、本件は円満に解決しました。
また、一部批判で、「区長の甥だから隠蔽した」とされるのですが、そもそも隠蔽するならば、訴えを受けた区長や議長である私の一存でこれを処理してしまう方法もあったかもしれません。
しかし、区長が、①議会の自治に関するものでもあるから議長にしっかりと相談するように職員に促したこと、また、②私は全議員にこの事実を共有し、全議員に開かれた場でこれを協議してきたことから、隠蔽の意図は全くなく、ホームページ上にあるように、すべての情報を公開して対応してきたことをご理解いただけたらと思っております。
区長の公平中立な姿勢や、自民党を含む議会の区長に対する監視機能に揺るぎはないことを表明しておきます。
彼は、住民の幸せを思い、結果を求めるあまり、短期的に行動するきらいがあるように思います。これは若さや経験の不足からくるような気もします。もっと丁寧な仕事の進め方や、相手の立場に立った行動があれば、この問題は起こらなかったような気もしています。そういうことは、彼の不足ある点として、先輩の立場から指導しておきました。
昔、泉房穂さんという明石市長(参院選に無所属で出馬予定=立憲民主党推薦)がおられ、当時道路拡幅を急ぐあまり部下に「火付けてこいや!」という暴言を吐いたことが報道されました。彼の正義感から起こった行動とは言え、職員の気持ちを考えると決して評価されるものではありませんでした。しかし泉さんはこれを反省し、辞職・出直し選挙に出馬して、圧倒的な民意を得て見事再選されました。
彼の言動については、レベルとしてそういうものではなかったのですが、議会としては不適切な言動(ハラスメントに至らないが、改めるべき言動)として対応しました。
私も含めて完璧な人間はいません。政治家も住民によって育てられる存在であり、彼もまた、貴重な経験をしたと思っています。これを生かして、努力していくことが35歳の藤崎議員に問われているような気がします。
6 藤崎候補へのエール
自民党所属の区議会議員として、仕事のパートナーである都議会議員を失うことは、私の仕事の能力が下がることを意味します。そのような意味で、自民党所属の都議会議員をなんとしても誕生させていただきたい、これが私の偽らざる思いです。
そして、今回区議出身の唯一の候補です。私たちの仕事を最も理解している都議の誕生は、私たちの仕事をよりスムーズに運んでくれる可能性を秘めています。
また、藤崎候補は、上記の通り、これから経験を積むべきこともあれば、すでに有している多彩な人脈や論戦力などの能力もあります。完璧ではないかもしれませんが、ぜひ、これからの政治家として育てていただきたい思いもあります。このことを私からお願いしたいと思います。
7 他の候補者へのエール
このほか、私も議員として、一緒に歩んできた、加藤まさゆき都議(公明党)・なりきよりさこ都議(都民ファーストの会)も立候補されています。
お二人に感謝しなくてはいけないのは、更生保護施設「ステップ押上」の建替えの際の多大なるご尽力です。
私は保護司も務めており、更生支援をライフワークとしています。ステップ押上は、出所後、更生を希望しながら身寄りがない方に、一時的に住居と食事を提供して、就職を斡旋し、再犯防止に繋げようとする施設です。私の支援者に50年前、この施設で暮らした方がおられますが、今は再犯もせずに、地域ボランティアに勤しんでおられます。社会にとって大切な施設であると思っています。
この施設の老朽化により、建替えの必要性が出たのですが、半官半民の施設であることや資材高騰の折、自己資金が枯渇し、窮地に立たされました。
そこで、再犯防止計画をもつ東京都に陳情を提出し、本施設をはじめ、これから老朽化で建替えを目指すすべての施設を対象として、東京都による補助制度創設を企図しました。この際に、お二人の議員はそれぞれの党派をまとめ、全会一致での採決に持ち込んでくださいました。これは画期的な出来事で、全国の更生保護関係者から注目を浴びました。
松島みどり元法務大臣のご尽力により国から約1億円(資材高騰分をプラス)、東京都から約7,000万円(新制度を適用)、墨田区からも1,000万円(地域貢献分を考慮)し、施設の完成に漕ぎ着けました。当日は牧原秀樹・法務大臣(当時)をはじめ、保護司会・更生保護女性会・BBS会などの更生保護関係者はもちろん、元入所者も参列し、皆で完成を喜び合いました。
墨田区には、党派を超えてこうした仕事をしてくれる「仕事師」の都議がいます。党派は異なりますが、いずれも再選され、再び都政においてお力を貸していただくことをお願いしたいと思います。
なお、現職でない、伊藤大気さん(共産党)、坪田こうすけさん(再生の道)のお二人については、仕事の上での関係を持ってこなかったため、記載できないのが心苦しいですが、いずれも正義感と立派なご経歴を持たれた方です。ご健闘をお祈りしています。
こうした「票にならないが社会にとって大切な政策」に着目し、自民党では、いち早く、早坂よしひろ都議(杉並区)が力を貸してくださり、当時、厚生委員だった小宮あんり都議(杉並区)・浜中のりかた都議(西東京市)・やまだ加奈子都議(現・北区長)が陳情の可決に大いにご尽力してくださいました。この場を借りてお礼申し上げますとともに、それぞれの地域でこの尊い行動が広く知られ、再選されることを願っています。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。
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